トム・クランシーは、僕がここ1年ぐらい、どっぷりとハマっている小説家です。2013年10月1日に66歳で天国にいかれたわけですが、もっと早くから知っていたかったです。
トム・クランシーの小説の面白さ
ジャンルは、テクノスリラーと言われるものみたいです。軍事とか諜報活動などを扱ったジャンルですね。トムクランシーは、このジャンルの権化と言っても過言ではありません。
魅力は多く挙げられるのですが、まずは、なんといっても武器とか戦闘機、戦艦、戦車、などの緻密な描写です。つまりテクノロジーの描写ですね。ですからどの作品もきっと映画になったら重厚な作品になるだろうなと容易に想像がつくのです。
そして単なる戦争モノで、銃を「タタタタタ」と撃ってるだけではなく、諜報活動が絡んだ国家間の大きな戦いで、そこにはテロリストであったり、国の長や軍事担当者の目論見であったりと、陰謀めいたものが渦巻いていますので、読み手を退屈させないのです。
そしてやはり魅力的な登場人物でしょう。ジャック・ライアンにおいてはCIA分析官であるときの物語もあるし、米国大統領として指揮をとっている姿もあります。取り巻く人たちは、妻のキャシーを皮切りに、警護するスタッフたち、そしてレインボーの長官であるジョン・クラーク、その息子のシャベス、そして後に「キャンパス」の一員として集まってくる仲間たちなどなど、非常に魅力あふれるキャラクターが登場します。
「ファック!(くそっ)」なんて、しょっちゅう出てきます。
読んでる僕も興奮して「ファック!」と言いたくなるような場面で、ですけどね。
そして、続く魅力は、話の連続性というか、つながりがあるのです。
これはどういうことかというと、登場人物たちは時系列に成長しているのですね、ですから・・・
今回のタイトルで「わぁ、読まなきゃよかった」というのは、理由があるのです。
物凄く面白い作品だったのですね。
で、解説を読みましたら、これって3部作なのだそうです。
日米開戦(Debt of Honor, 1994)
合衆国崩壊(Executive Orders, 1996)
大戦勃発(The Bear and the Dragon, 2000)
こんな順番で読まなければならなかったのです・・・。
僕は、大戦勃発から読んでしまいましたよ。
そんなわけです。
もちろん、後で「日米開戦」と「合衆国崩壊」は手に入れますよ、必ず。そして必ず読みます。
「大戦勃発」は分厚い4冊ですが、3巻ぐらいから加速していきます!
大戦勃発を見つけたのは、我が家の近くにある古本屋さんで、一冊80円で売ってたのですね。それまでトムクランシーはけっこう読んでいましたので、古本屋で見つけたら買う!ってな感じでちょっとずつ集めているのです。
この時、大戦勃発4冊以外には、「教皇暗殺」の1巻と2巻も買いました。全部80円でしたので、6冊買っても480円+税です。
表紙の挿絵を見ても、ちょっと古い感じですね。作品としては2000年ですので20年前ということになるのでしょうか。
でもでも!
小説の中身は、全く古臭くありません。
むしろ、先端を行ってる感じすらします。
いつものトムクランシー作品と比べると、一冊がけっこう分厚く4巻全部500ページ以上あるのです。ですから読み終えるのに少し時間がかかりました。
「キャンパス」という組織が出来てからの物語も楽しく、読みやすいのですが、それがまだ登場する前の物語もまたまた面白いんですよ。
3巻ぐらいから、加速していく印象があります。そして4巻は、一気読み必至です。特に4巻の後半は、中国、ロシア、米国とそれぞれのトップや軍の描写に要注目です。
ページをめくる手が止まらなくなる!
そんな一作でした。