ビジネスホテルには、何かこう・・・哀愁というものが漂っていますよね。電車で言うと、昔の上野駅みたいな。
博多には本当によく行きました。
証券会社に勤務していたときには、本社が博多でしたので、毎月のように博多のビジネスホテルに泊まりました。会社が手配してくれたホテルですが、なかなか良かったです。
よく考えたら、あれだけの人数を博多に呼び寄せて全体会議ですから相当お金かかっていたことでしょう。
会議があり、そのあと食事会があり、それぞれの部署でさらに二次会みたいなものがあり、屋台なども行って、ようやく到着するビジネスホテルです。ほとんど酔っ払った状態ですので、スーツをかなぐり捨てて、そのまま寝てしまうこともよくありました。
どうせなら、そこからまた普段着にでも着替えて、独自路線で遊びに行けばよかったのですが、お酒弱いので、そういう気力と体力が失われてしまっていました。もったいのぉございます。
ビジネスホテルの哀愁
カードキーを挿して、扉を開ける。
部屋に一歩入ったときの生活感のなさ。ここがまず哀愁の一歩です。たくさんの人たちがこの部屋に泊まっただろうに、どこにもその片鱗がうかがえず、部屋はただシンと静まり返っているのです。
とりあえず、明かりという明かりをすべて点け、ユニットバスをチェック。
バスタブもトイレも洗面台もとても綺麗で、ここにも生活の欠片が見られません。哀愁の第二歩を感じます。
ベッドの上にとりあえず、荷物を放り投げ、中からガサゴソと色々なものと取り出し並べてみます。
誰もいない狭い空間で、やることがすぐになくなります。
テレビをつけても特に面白いとは思いません。
(シャワーでも浴びるか)と
全部服を脱いで、素っ裸になってもだれに見られるわけでもないので、その点は気楽です。
ユニットバスはちょっと入りにくいし、ホテルに備え付けのシャンプーとかリンス、石鹸は肌に合わない場合が多いので、自分の一式を使って、(はぁ~~~)とか言いながらお風呂に入ります。
ユニットバスについている防水のカーテン。これが哀愁の第三歩となるのです。
あのカーテンは、バスタブの中に入れて使用します。外にシャワーのしぶきが飛ばないようにですね。
そんな気遣いをしたあと、やたらモッコモコのバスタオルで身体を適当に拭いて、ベッドにドタンと倒れこみます。
天井を見ても横を見ても、どこを見ても今度は哀愁だらけに感じます。
この不思議なビジネスホテル独特の哀愁は何なんでしょうね。
たまにビジネスホテルに泊まりたくなるのは、どんな心境なんだろう
会社を経営し始めてから、ビジネスホテルの利用はサラリーマン時代よりも思い切り減りました。
男性サウナの利用も減ったかな・・・。
ビジホにしてもサウナにしても、男どもは寡黙な世界じゃないですか。それが心地いいのかもしれません。
喧騒から離れ、戦いの翼を休める場所です。
そしてなぜか、ビジネスホテルは、コンビニでの買い物とリンクするのです。
7イレブンでビールとか、つまみを買ってホテルの部屋に戻り、
「プシュッ!」
この瞬間ですな。
誰にも気兼ねなく、ほぼ何もない空間で、一人でビールですよ。
自宅の部屋は雑然としているじゃないですか。
でもビジネスホテルは、整然としていて、ホント何もないんですよ。
だから、本を読むか、テレビを観るか、ごろっと横になるか、シャワー浴びるか・・・あと何がありますかね。
やることない中でもっとも上位に来るのが一人でプシュッ!となですよね。