賛否両論がある村上春樹の小説。その独特の描写に出会った僕は、完全「賛」状態になったのです。
ねじまき鳥クロニクルというタイトルが目をひく
実はこのタイトル、発売されてからしばらくは、心の中にインプットされていて、どんな内容なのだろう?村上春樹ってどんな人だろう?という想像を膨らませるだけで、買うという決断になかなか至らなかったのです。
そして本来であれば、タイトルからある程度予想できるものが全くわからず、さらには・・・。
- 第1部 泥棒かささぎ編
- 第2部 予言する鳥編
- 第3部 鳥刺し男編
これらのサブタイトルを読んでも余計に混乱するだけでした。
「気になる」「気になる」「気になる」まさか本を買うか買わないかで、ここまで悩むとは自分でも驚きで、もしかしたら触れたら最後、毒に侵され一巻の終わりかもぐらいの慎重な気持ちでした。
買ったら最後、やられた。
手に取ってページをめくることさえもギトギトのスライムに触れるが如くの感覚に占領されました。
意を決して手に取ったあとは一目散にレジに行き、何かに挑むように突き進んだだけです。そう・・・その日のうちに一巻を読破したのでした。
いやはや、まいった。本当に吸い込まれるというこのはこのことだ!と今度は2巻、3巻をまとめ買いして、呼吸するのも惜しいぐらいに読み漁ったのです。
なんでしょう。貪るように読んだというのがぴったりの表現かもしれません。
クレタとか、マルタとか、ナツメグ、シナモンという登場人物のネーミングもさることながら、一番僕がやられた感があったのが、描写です。
人物と情景の描写
これが村上ワールドなんだ
そう、そうなのです。村上春樹の小説は、読むものを魅了する独特の描写があるのです。絶対に思いつかないような比喩とか、本当にぶっ飛びます。
言葉にノックアウトされるということがあるのですね。
昔の偉い人とか、古から伝わる言葉には、それはそれは重いものがあり、四字熟語や故事成語、偉人の言葉は印象深く、忘れにくいものです。
でも村上春樹の小説で登場する表現や描写は、似たようなものがない、完全オリジナルの世界で、ほんの少しでも
「それ、言いえて妙だね」と軽々しく言えるものが1mmもないのです。
最初は文庫版、でもハードカバーを永久保存版として
いつしか僕は、村上春樹の小説の虜になっていました。文庫版で買ったものも わざわざハードカバーもそろえて、これは永久保存版なのだと大切にとってあります。
あなたは「ハルキスト」ですか?と聞かれたら、「ええ、生粋のハルキストであることは間違いありません」と答えるでしょう。
村上春樹に興味津々、そして生き方がかっこいい!
ラジオやってましたね。
何かの本を買ったときに、ブックカバーに広告があって、村上春樹のラジオのことでした。
もう、すかさずタイマーセットでしたね。
あまりメディアに登場するイメージではなかったので、ラジオ出演で声を聴くことが出来ただけでもうれしかったです。純粋にかっこいい。声質とか、深みとか、語り口が耳に心地よく、とても印象に残りました。
そんなこんなで大ファン
僕は長編が好きなので、短編はまだ全部そろえていませんが、長編は一番最近の「騎士団長殺し」まできました。
次の作品が楽しみで仕方ありません。